


松本市主催、ジェンダー平等センターにおける講座を担当いたしました。
社会の中で色々な役割を与えられ、それを『こなす』ことに精一杯の私たち。
女性の社会進出が進む中、妻や母だけでなく、色々な顔をもつ人が増えました。
女性の身体は、妊娠出産、更年期など年齢と共にダイナミックに変化をします。
それらを正しく理解して、自分の心と体を大切に、社会の一員となって欲しいと強く願っています。
そんな願いを講座に込めた今回。
薬膳と聞くと、どこか難しい、美味しくなさそうな、特別な食材を使ったお料理だと思われる方がほとんど。
私も、昔はそうでした…
でも本当は、どこにでもある食材を使って、
『今の自分の心と体にマッチするお料理』を作ることが薬膳なのです。
だからこそ、忙しくて、自分をおざなりにしがちな方にこそ聞いて欲しい学びでもあります。
誰でも簡単にできる美味しいお料理とおしゃべりの後は、皆さんの顔がホクホクしてきます。
皆さんの置かれる環境はそれぞれ違っても、一緒に作って食べることにより、楽しかったり、癒されたりと、とても素敵な時間が流れます。


最後の質問タイムに市の担当の方より、質問をいただきました。
「若い人が未来に不安を抱えたり、女性を取り巻く変化など、社会で起こる色々な事に対して、中垣先生が思い、伝えたいことはありますか?」と。
それに対して、私の答えは
「どんな人も、主体的に生きて欲しい」とのメッセージをお伝えいたしました。
『自分以外の誰かのため』
一見綺麗に見えるそんな価値観も、それは時に、自分を後回しにしてしまいます。
毎日の食事作りも同じです。
「子供の食べたいものに合わせて献立を考える、だから自分の食べたいものや必要なものは後回しになる。」
そのような声は、講座を開く度に聞かれますし、かつての自分とも重なります。
でも、今は
「まずは、お母さんが、自分の身体のためにお料理をしてください。そして、満ちた心と体で、誰かのために作ってあげてください。この順番を間違えないようにしてください。」と伝えています。
この価値観は、目からウロコでした。そんな風にも言ってもらえます。
もちろん、誰かのために、自らが『やりたくて』やっているなら、もちろんそれが理想です。
でも、たまに、『自分は〇〇したくても、家族が〇〇だからできない』という方がいます。
自分の人生は、誰かのためではなく、自分のものです。
今ある現状は全て、自分が選んだ結果です。
現状に対して、社会のせい、誰かのせい、環境のせいと考えている人は、自分の人生の手綱を誰かに明け渡しているような気がしています。
どんな状況でも、結果でも、それは自分が選んだ答えです。
そのように胸を張って言える時、自分の人生を主体的に生きているなと感じます。
まずは、一番身近で、一番たくさんやっている日々の食事作り。
そこから主体的に作ることを始めて欲しいです。
私も薬膳を始めてから、主体的に物を考える癖が身につきました。
すると、どうでしょう。自分の中では、ワガママに見える行為をしていても、ストレスなく、楽しそうに時が展開するので、周りの人も自分を大切に歩み始めます。
自分の経験を経ての変化なので、胸を張って言えることです。
あなたがあなたらしく主体的に生きること。生きていく上で、何より大切にしている価値観でもあります。
薬膳を多くの方に伝えていくことで主体的に生きる方が増えてくれると嬉しいです。
本講座にて、素敵な時間をご一緒いただいた皆様、ありがとうございました。



