病気になるのは悪い事?

あなたは今、健康ですか?

薬膳の講師として、薬剤師として、健康に関する相談は色々と受けています。
年齢を重ねるにつれ、身体のあちこちに不調を抱えやすく、様々症状が出てきてしまいますよね。
講師として活動する私も日々自分の身体に向き合い続けています。

そんな時、時たま耳にするこんな気持ち、あなたは持っていませんか?
「病気になるのは恥ずかしい事」「病気になるのは悪い事」「病気になったのはきっと何かがいけなかった」

そんな気持ちに触れる時、なんだか私もふと、悲しい気持ちに襲われます。
わからなくもないです。

医療従事者として、たくさんの方の病気に触れてきました。
私自身、小学生の時に2年間、腎臓病で入院生活を送っていました。

確かに、過去を振り返ると病気になる原因がいくつかあったかもしれないし、なんだか病気というレッテルで
自分に重たい荷物が加わったような感覚があるのを自認しています。

でもね、ここで私がお話ししたいのは、ちょっと違った観点の意見です。

致死率100%

最初に申し上げたいことは、人の致死率は100%だという事。
そして、人の寿命が昔に比べて、だいぶ伸びたという事。
加えて、医療技術の発展により、病気になっても命を落とさずに済むことが増えたという事。

これらを踏まえて、ではあなたはどんな風に、生を終えたいですか?
同時に、どんな風に生を全うしたいですか?

なんだか急に重たい話をしていますが、医療進歩が目覚ましい現代において、これを整理して、自分なりの答えを出しておくことはとても大切な気がしています。

話が少し逸れましたが、私は病気は加齢の一つとして捉える事も出来るのではないかと思っています。
もちろん生活習慣病などは、読んで字のごとく不摂生な生活習慣が原因で発症することも多いです。
反面、遺伝や産まれながらの体質により、発症してしまう事もあります。

よく、癌はなってはいけない病気、とても怖い病気。そんな考え方を持つ人にも出会います。
でも、癌だって毎日毎日私たちの身体で作られ、免疫の働きでやっつけてもらいを繰り返し、日々の生活を送れています。
年齢を重ねるにつれ、だんだんと遺伝子コードに異常をきたし、癌が生れるリスクも増えていきます。
だからね、癌も一つの加齢変化と捉える事も出来るのです。

もちろん、現代においては癌になっても必ずしも命を落とさずに済むことが多く、治療の選択肢の幅が増えたことは言うまでもありません。だから、立ち向かう事もとても大切になってきます。

でも、病気になるのは、恥ずかしい事でも、あなたが悪いわけでも、ありません。

そして、どうしたら病気にならない身体になるのかと、情報をたくさん拾いにいく人も多くいるように感じます。
もちろん、自ら身体のサインを拾って、健康管理に取り組むことはとても大切です。

身体はブラックボックス


ただ、病気になるのは何か一つの事柄が原因だ、なんて簡単には決められないのが普通です。
私たちの身体は全て繋がりを持っていて、宇宙と同じ位わからない事だらけです。
ブラックボックスなので、病気になったのはこれがいけなかった、なんて短絡的に決める事は難しいのではないかなと思っています。

もちろん、全ての病気に対して当てはまる訳ではないですし、いざ病気になったら、原因を取り除き、立ち向かう努力をすることは大切です。

でも、

みんな最後は何らかの形で命を終える日が来るのです。
日々、死に向かい生きているとも言い換えられます。

癌はギフト?

日本では、ピンピンコロリが理想なんて言われてもいますが、欧米では癌は余命を宣告された時から
本人や家族がそれを自覚し、準備ができるからその期間はギフトだとも言われています。

ならば、過剰に恐れることなく、いざ病気になっても「自分の心と身体の声を聴く」。
これを大切にできれば、生は全うできるのではないかと思っています。

あなたは今、どんな風に生を全うしていますか?

是非いつか、話を聞かせてくださいね。

目次