ストレス社会に生きる私たちへ

中国古代哲学では、いつでも大切な概念があります。
それは、陰陽バランスの整った世界。

この思想において、この世に存在する全ての物は陰と陽二つが合わさりできていると言われています。

これはマクロの世界の天地創造(天と地)やミクロの世界の素粒子でも当てはめる事が可能で、どちらか一方だけでは存在し得ない、二つが一つになって存在する世界観です。

天人合一との言葉の通り、自然界で起こることは私たちの体にも、もちろん当てはまります。
つまり、私たちの体も色々な陰陽バランスをとりながら恒常性を保って存在しています。

息を吸えば吐き、活動的な昼間があればゆっくり過ごす夜があり、上半身があれば下半身があり。
このように全ては陰陽の世界で成り立っていて、それらがバランスを取れている事が、健康である一つの要因として知られています。

自律神経とは

自律神経とは、自らリズムを刻む働きに関わる神経のこと。意識せずとも呼吸や体温調整、血圧などを調整することに役立っています。
自律神経はアクセルの役割を果たす交感神経とブレーキの役割を果たす副交換神経の二つのバランスでできています。
日中、活動的に働かなければいけない時は交感神経が優位になり、夕方以降、ゆっくり過ごす時には副交換神経が優位になり、体全体のバランスを整えています。

そんな中、仕事で忙しく、頑張りすぎている。
夜遅くまでスマホやテレビを見ている。
ストレスを溜め込んでしまい、発散する術がない。

このような方は、交感神経が優位になり、呼吸が浅くなり、血管が収縮して血圧が上がり、血流も悪くなるので体温が低下します。末端の冷えや急な発汗なども交感神経が優位になっていまっているサインの一つです。

これらを予防するために必要なことは、頑張りすぎず、太陽の動きと共に生活し、適度に心と身体を動かすこと。

簡単なようでいて、これができる現代人はなかなかいません。
日の動きと共に寝起きするとなると、夜の7時に布団に入らないといけない日もあるし、頑張らずにできるお仕事もなかなかない。頭を動かすのは得意だけど、心や身体を動かすことは疎い人も多いのではないでしょうか。

現代は総じてストレス社会

つまり、現代は総じてストレス社会です。交感神経が優位になりすぎる故、ストレスが原因の様々な病気が存在するし、体の免疫バランスも乱れるので、アレルギーや自己免疫疾患も起こるのです。

おそらくきっと、体は大きな病気になる前に、様々なサインを私たちに送ってきていたはずです。でも、忙しく頑張っている時は、そんな小さなサインなど耳にも入らずに聞き逃してしまいます。
また、時に頑張らないといけないタイミングも人生にはたくさん訪れます。

キーワードは緩める

そこでキーワードになる言葉は適度に緩めること。
忙しい時は大好きなお茶を飲んでふっと緩める。
トイレ休憩の時にハンカチに染み込ませたアロマの香りを嗅ぐ。
頑張っていた時には肩の力を抜いて全身脱力。

さらに大切なことは、ゆっくり息を長く吐くこと。

血流や体温などは意識して変化を起こすことは難しいですが、呼吸は唯一、私たちの体で意図的に調節できるツールです。呼吸をゆったりと行い、吸うよりも吐くことを少し長くすることで、次第に副交感神経の働きが整っていき、不調の改善や、免疫力の強化に繋がるのです。

呼吸とアレルギーは関係あるの?
そんな風に思う方がいるかもしれません。
でも、実は添加物や食べ物や花粉など、それらの原因よりもあなたの頑張りすぎが免疫と大きく関わっているのかもしれません。

心から喜べることは?

健康的な食べ物や、健康的な暮らしにこだわることはもちろん大切かもしれませんが、それよりもまず、あなたがいつも心から喜んでいる。これが1番の処方箋だと思っています。

難しく考えることなく、新たに知識を入れることなく、まずは自分が心から喜べることに時間を費やしてください。

それは、どんな難しい健康法を手に入れるよりも簡単な、あなたにとって1番の健康法です。
どうぞ笑顔で素敵な毎日をお過ごし下さい。

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