先日は「秋」をテーマに季節の薬膳についてお伝えしてまいりました。
大切なことは、知識を詰め込むことではなく、このゆったりとしたお知恵に詰まった価値観を自分に落とし込むこと。
季節の移り変わり、自然と自分の繋がり、体の中のそれぞれの臓器同士の繋がり、心と体の繋がり、自分と人の繋がり、食と健康の繋がり、生命の繋がり。
私たちは、日々暮らしの中で色々な物と繋がりを持って生活しています。
知識ばかりを詰め込んでしまうと、繋がりではなく、点で物を見ることに慣れてしまう様な気がしています。
私は、点ばかりを気にするよりも、物事に潜む曖昧さが大切だと思っています。
この日は特にそんな曖昧さにお話が及びました。
何をどのように切り取るかによって、答えなんて皆違うし、良いか悪いかは各々の価値観で変わってきます。
私はその違いを受け入れて、お互いを尊重する価値観こそ、これからの時代に必要になってくると思っています。
この日参加してくださったAさんは、糖尿病を患っていて、毎月医師の診察時に、太らないように声掛けをされることで心がぎゅっと辛くなっている様子でした。
糖尿病の患者さんにとって、食事管理はもちろん大切ですが、一生続く食べることに、制限が伴うことは、私たちの想像以上にストレスになりますし、そのストレスがまた、食べたい欲求を生んでしまう。
治療成績があまり良くなくて、もっと数値を下げるべき人であれば、厳格な数値の管理が必要となりますが、その方は見た目の体格も数値もこれ以上頑張れない位優秀な治療成績を獲得していました。
だから私は、皆さんにこんな風にお話をいたしました。
皆さんの健康は医師の数値が決めるのではなく、皆さんの心が決めています。
日々、笑って、幸せに、楽しく過ごすことなくして、健康とは言えないのです。
そんなお話をお伝えしていたら、その方が、とても明るくこんな風に伝えてくださいました。
「この数年辛かった心が晴れた様です。意外と頑張っても、頑張らなくても、数値ってそんなに大きくは変動しないんですよね。あまり気にしすぎる必要もないかもしれないと思ってきました。今日は来て良かったです」
そう、伝えたいことは、たった一回きり真似して作るレシピでも、ガチガチに塗り固められた知識でもないのです。
価値観を少し変えることで、あなたの健康の見え方が今までとは変わった物に変化するということ。
加えて、あなたの健康や体の事、心の事はあなたが決めて良いということ。
ほんの数時間かかわることで、私の伝えたい事が確実に伝わるとは思っていません。
でも、少しでもこんなゆったりとした価値観に身を置くことで、今までとは違った幸せのあり方をお伝えできたら嬉しいなと思っています。
これからも多くの方にこのお知恵を伝えていくことで、今まで以上に幸せになる方を増やしていきたいと思っています。