養生コラム⑬~体質別解説・気虚~

最近何だか疲れやすい、元気が出ない、風邪をひきやすい。そんなあなた。
もしかして、気虚(ききょ)体質かもしれません。

今日は気・血・水で診る体質シリーズ2回目、気虚について解説していきたいと思います。

気虚とは?

東洋医学で人の身体を気・血・水で表した時、気は単純に生命エネルギーとも考えられ、更に血と水を身体の隅々まで運ぶ、運び屋の役目を果たしています。血と水は何をしてくれているかというと、栄養や代謝を担当してくれています。

気虚とはこの気が不足している状態、つまり身体のエネルギーが不足している状態です。なんだか疲れやすい、元気が出ないのも当たりまえ、更には身体のバリア機能も低下するために、普段ならかからないような風邪もひき易くなるのです。

このような方は、血や水を身体の隅々まで運ぶことができない為、代謝も落ち、体温も低下していきます。

その為、汗をかけるような岩盤浴を気持ちよく感じる事もありますが、実は逆効果。

気は汗と共に身体の外側へ失われていくとも考えられているので、汗をかくような健康法や激しい運動は不向きとなるのです。代謝を上げ、血や水の運行を促すためにはストレッチなどの、じんわりとした汗をかける位の簡単な動きをお勧めします。

お勧め食材

気虚の人にお勧めの食材は穀物、芋類、豆類などです。

最近では糖質を気にして制限をする人も増えていますが、気虚体質の方がそれをやってしまうと、かえって疲れやすく、身体のバランスをかなり乱してしまいます。身体は正直で、糖質制限を始めてから、逆にケーキのような甘いお菓子が無性に食べたくなるなんて事例もありました。

千と千尋の神隠しで、両親を思い出し、元気を無くした時に、泣きながらおにぎりを食べる千尋の姿が印象的ですが、人間は疲れた時、元気がない時にはおにぎりが美味しく感じますよね。
それは、身体が正直に反応しているサインのような気がしています。

今日は薬膳おにぎりをご紹介いたします。
黒ゴマ、桜エビ、鰹節、塩昆布、青のりを全てご飯に混ぜて、塩で味を調えて握っていきます。

これらは全て、東洋医学で生命力の要となる腎に作用する食材です。
是非ご家庭で試していただき、元気いっぱいの日々をお過ごしくださいね。

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