養生コラム21〜始まりの春。血を一新するとは?〜

立春を迎え、暦の上では現在立派な春。
また、春分の日を境に段々と昼の時間が長くなり、自然界は陽の気が増していきます。

信州はGW明けくらいまで、いつまでも寒いです。
だから体感ではまだまだ冬だ!って思って篭っていたり、活動をセーブしていると、よく聞く五月病に…
つまり、自律神経の乱れが生じやすくなってしまいます。

進級進学、職場の新年度を迎えるこの春。
始まりの季節を健やかに過ごすために、体の血を一新するコツをお伝えいたします。

先ほどから血と書いていますが、皆さんこれを血(ち)と読んでいますでしょうか?
中医学では血と書いて、血(けつ)と呼びます。
私たちの知っている血(ち)の概念とは少し違いますので、そちらも併せてお伝えしますね。
中医学で血(けつ)とは、身体の隅々に栄養を与えるもの。そして、精神の安定や眠りの質にも関係しているとても大切な存在です。

始まりの春は、前回お伝えした様に、気の巡りをよくすることも大切ですが、それと同じくして、篭りがちな冬の血をデトックスして一新することが大切になってきます。

動物を例に取ってお話すると、熊さんは冬眠から目覚めた後、便通を良くしたり吐き気を催す植物を食べることで体内を一新して、春の目覚めを迎えます。
同じ様な作用を持つ物は若葉や新芽のほろ苦い成分。植物性アルカロイドと呼ばれ、ふきのとう、うど、タラの芽など山菜に多く含まれています。
また、菜の花やたけのこにもデトックスに役立つ成分がたっぷり。
もちろん食べ過ぎは良くないですが、この時期に旬の物を適量摂ることは、本当に私たちの健康にも理に叶っています。
しっかりと火を通したり、茹でこぼしたりしてアクを抜くことで、体への負担も少なくなるので、この時期に特に取り入れてくださいね。

さらに、新たな血を生み出すことも大切です。
血を作る食材は今までも何度かお伝えしていますが、中でも大切な事は良質なタンパク質をしっかり摂ること。
朝食を簡単に済ませがちな方でも、卵やシーチキン、豆腐や納豆など、いつもの食事にプラスオンを心がけてください。
お肉やお魚も大切ですが、良質な血を作る時、ドライフルーツやナッツの力も役に立ちます。最近はコンビニなどでも手軽に買えるようになってきたので、おやつを手に取る時にも、ぜひドライフルーツやナッツの選択肢を増やしてみてください。

良質な血を作り出した後は、血の巡りを良くすることも大切です。
クリーム系や甘ーいお菓子、チョコレートなどは糖質や脂質がたっぷりで、いかにも血がべとべとになりやすく血流が悪くなるので、食べ過ぎは禁物です。これらは珈琲とも相性が抜群なので、飲み物をあっさりとしたハーブティーやお茶に変えてみるのもおやつの選択肢が変わるきっかけになりますよ。

甘いお菓子、やめたいのにやめられない人は、どうして食べたくなってしまうのか、そんな自分に目を向けることも大切です。
疲れが溜まっている?
何かを我慢している?
頑張りすぎている?
そんな問いかけも是非自分にしてみてくださいね。

始まりの春。一年を健やかに過ごす為にも、是非心身共に新たな自分でスタートしてください。

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