養生コラム20〜気の巡りをよくする食材〜

2月4日の立春を迎えると、暦の上では季節が春に移ります。
信州ではまだまだ寒い冬のこの時期ですが、日もだんだんと長くなり、自然界は少しずつ春の香りがしてきます。
今回はそんな春に関係する気の巡りを良くする食材をご紹介いたします。

春に関係する五臓は肝といって、主に気血の巡りを担当する部位です。
こちらに影響する春は特に気の巡りが悪くなりやすい事が知られています。

春は進級進学、引越し、環境の変化など気持ちの部分でも、なんとなくソワソワした気持ちになりやすい季節です。さらに、自然界の陽気がだんだんと上向く事により、私たちの体もエネルギーが上の方にフワフワと巡りやすいので、上半身、特に首から上にエネルギーが集中しやすいなんて事もよく語られます。

具体的には、イライラ、ソワソワ、フワフワと言った気持ちの変化や、首肩周りの凝り、目の症状、のぼせなどが春に出やすい症状として知られています。
それらを緩和するために、是非気の巡りを良くする食材を意識して取り入れてみてください。

養生コラム12でもお伝えした様に、気の巡りを良くするために使うキーワードは香りです。
紫蘇、茗荷、セロリ、ハーブ、スパイス、柑橘系など、自分が心地良いと思う香りは広く気の巡りを整える事に有効です。是非この時期のお料理に積極的に取り入れてみてください。

さらにジャスミンティーやハーブティー、炭酸水、レモンの飲み物などもお勧め。気持ちを整えるためにも、簡単な飲み物に変化を持たせる事も有効です。

また、好きな香りを嗅ぐだけでも気持ちのリフレッシュ効果が高まります。
アロマなど馴染みがない方でも、好きな化粧水、ハンドクリームなど日常に取り入れていただく事で、小まめに気が巡ります。それらはお子様にも有効なので、受験シーズンや進級などで気持ちがギュッと強張る時、是非お子様のお守り代わりに使う事もお勧めいたします。

この時期、めまいや目の症状が出やすい方も、普段から知らず知らずのうちに頑張りすぎていないか、チェックしてみてください。
頑張る=気の渋滞が起こりやすい体質なので、そんな時は、日常のひと時でも、ふぅーっと力を抜く事を意識して取り入れてみてください。
好きなハーブティーを飲む時間が取れるならばいいのですが、それすら難しい方は、ため息をついて脱力。
これだけでも大丈夫。同時に首肩周りの緊張もほぐしてあげる事で、上半身に溜まりがちな気のエネルギーを全身に回す効果も生まれます。
ため息と同時に、肩周りのストレッチも、思い出したタイミングで取り入れてみてください。

そうは言っても、環境の変化が多く忙しい時期。新たなタスクを作る必要はないので、トイレに立って、一人になったタイミングで、ため息と脱力、肩周りのストレッチ。これらを習慣に、日々を元気にお過ごしください。

さぁ、新しい一年の始まりの春。
心も体も健やかにお過ごしいただく事を願っています。

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